GS二次小説 「せめて絶望のない世界をあなたに」



第012話

一週間後・・・

「さて、六道家当主。用意は出来たのか?」

鏡耶は冥那が昼食を食べ終わり食後のお茶を飲もうとしたとき突然現れ、開口一番にそう言った。

「あら君影君〜。よく来てくれたわ〜・・・でも出来れば次からは玄関から入ってくれるかしら〜」

「うん?それは悪かったな。次からは気をつける」

「それと〜・・・出来れば名前で呼んでくれるとおばさん嬉しいわ〜」

「そうか?なら冥那と呼び捨てで構わないか?」

冥那は嬉しそうに微笑みながら鏡耶に用意しておいた書類を渡した。

「確認するぞ?・・・・・・年が21?まぁこの外見ではそんなところか・・・両親は既に他界か・・・まぁ妥当だな」

そうしてしばらく書かれた自分のプロフィールを読んで一つずつ確認していく鏡耶。どうやらコンセプトは天涯孤独らしい。ほとんど人間関係のところは既に他界しているかいないとなっている。
質問してみたところ何でも無理に作ったりするとそこからボロが出るらしい。だったら最初からいなければそのほうが対処が簡単だということだった。
また住む家として用意してくれたのが、郊外にある誰にも使われなくなって久しい少し大きめの屋敷だった。
外観はちょっと昔の洋館といったところか。かなり凝った造りになっている。ただし長い間使われていなかったので埃や雑草がかなりすごい事になっているということだ。これは専門の業者に頼んできれいにして貰ったほうがいいかもしれない。

「どうかしら〜?お屋敷の方はちょっと汚いかも知れないけど〜霊的なことを考えると掘り出し物なのよ〜・・・」

「確かにな。これなら十分に強い結界を張れるな。うん、気に入った。ありがとう冥那」

そう言って穏やかに笑う鏡耶を見て冥那は自分の顔が赤くなるのを感じた。

「そ、そんなことないわよ〜〜・・・や、やっぱりサービスで改装工事もこちらで頼んでおくわね〜〜」

「ん?急にどうしたんだ?・・・まぁしてくれるならこちらとしてもありがたい。頼むな」

鏡耶は赤い顔をした冥那にそう言われて、何かに気付いたように少し苦笑しながらその好意に甘えることにした。

その後二人は冥子が学校から帰ってくるまで雑談をしてして過ごした。





「・・・・・・どうやらお嬢様が帰って来たみたいだな」

「あら〜・・・どうしてわかるのかしら〜この屋敷には結界が張ってあるから、そんなに簡単に結界の外のことは分からないはずなのに〜?」

「まぁ、長年培ってきた能力の一つということでそれ以上は秘密だな」

「え〜そういえば結界が張ってあるのに関係なく突然現れた理由もとっても知りたいわ〜〜」

「ははっ・・・それこそ秘密だ。・・・はぁ、しょうがない。そんな泣きそうな顔をするな。冥那の娘が帰って来たのを知った理由だけは教える。・・・と言っても簡単なことで、霊視をしただけだ」

「霊視〜?でもそれだけならこの家の結界で遮られると思うけど〜?」

「俺の霊視はそんなにやわじゃないってことだ。本気になれば空気中に微かに残っている霊力の残滓も見つけ辿ることさえ可能だぞ?」

冥那は驚いていた。鏡耶が言った霊視能力についてはこの家の者なら結界に関係なく内側からでも外の様子が分かるようになっているのだが、それ以外の人間が霊視出来ることはまず有り得ない。さらに霊力の残滓を辿るなんて芸当はそれこそ人狼族くらいでないと無理なはずだ。
また自分に全く物怖じせずに話せる人間だと言うことにも驚いた。おかげで自分の夫が死んでから久しぶりにホントに笑って話すことが出来た。そしてますます冥那は鏡耶に興味を持ち始めていることをはっきりと認識した。





「ただいま帰りましたお母様〜〜〜〜。あら〜〜〜?そちらの方は〜〜〜・・・確か君影さん・・・でしたっけ〜〜〜〜?」

「あぁ。俺は君影鏡耶だ。この前はろくに挨拶もしなかったな。悪いことをした」

「気にしないで〜〜〜〜。それで〜〜〜今日はどうしたんですか〜〜〜〜?」

「いや、用事自体は終わったんだがな・・・少々お茶を頂いていた」

冥那は冥子があまり意識せず異性と話しているのを見て嬉しく思う反面少し嫌な気分になった。
しかしそんなことは表面には出さず、早速鏡耶には仕事をしてもらうことにした。

「冥子〜〜早速だけどこれから君影君と仕事に行って来なさい〜〜」

「え〜〜〜〜今日は止めましょう〜〜〜〜ほら〜〜外も曇ってて雨が降りそうだし〜〜〜〜・・・」

「なに適当なこと言ってるの〜〜〜!ちゃんと見なさい〜〜雲ひとつない快晴よ〜〜〜!!」

「ひ〜〜〜〜〜ん!!どうせまた失敗するんだから〜〜〜〜行きたくな〜〜〜い!」

「わがまま言わないで〜〜とっとと支度して行きなさ〜〜〜い!!!!」

そう言って冥那は冥子を仕事に向かわせることにした。
本来ならライセンスを持つプロのGSが同行しなければ手伝いなんかも出来ないのだが、今回を含めこれからはそんなに長い期間ではないが鏡耶が付いているので任せることにしたのだ。
一応念のためと少しでも鏡耶の情報を得るために監視を付けているのだが、それらはよっぽどのことが無い限り監視だけと厳命している。
そして冥子の支度が済み現場に向かおうと屋敷を出発する際、冥那は鏡耶を呼び止めた。

「それじゃあ〜〜娘をよろしくお願いしますね〜」

「俺の仕事は暴走させないようにして、彼女一人で仕事を達成させればいいんだろ?まぁ最初から上手くはいかないと思うが、長い目で見てやってくれ」

「期待してるわね〜〜・・・あと君影君の家だけど〜改装とかが終わるのが三日後になるそうだから〜四日後には引っ越せると思うわ〜〜」

「何から何まですまないな。ありがとう。・・・・・・じゃあ彼女のことは任せてくれ」

最後に鏡耶に迷惑を掛けないようにと冥子に注意をして冥那は二人を乗せた車を見送った。
そのときちょっとだけ主人を見送る妻のような気分を味わったのは冥那だけの秘密だ。







「さて、現場に着いたわけだが・・・何か分かるか?六道冥子」

「そ〜〜ね〜〜〜〜・・・上の方から特に強い力を感じるわ〜〜〜〜」

鏡耶と冥子は建設途中のデパートに来ていた。そのデパートの担当者からある程度の話を聞くと屋上にある看板がある種のアンテナになっていて、それがきっかけで多くの雑霊が集まりそこにたまたま悪霊が入ったために建物全体が雑霊や悪霊の巣となったらしい。

「まぁよくある話だな。お前も何度か経験したことあるんじゃないのか?」

「確かに〜〜〜そういうのは記憶にあるんだけど〜〜〜〜いつも途中の記憶が無くて〜〜〜気が付いたら瓦礫の上にいるのよね〜〜〜〜不思議だわ〜〜〜」

鏡耶は思わず頭を抱えたくなった。前の世界でもプッツンは何度も経験したし、見たりもしたが記憶が無いとまでは気付かなかった。おそらく霊的ストレスで一時的な記憶の混乱と、嫌なことは覚えていたくないという思考からきているのだろうと予測する。
鏡耶はこのまま冥子を連れて除霊に向かっても何にもならないと考え、冥那に連絡を取り今回は自分が除霊をすることを伝えた。
また、前の世界の冥子はプッツンはしても暴走はしなかった。これは今の年より年上で今よりは幾分大人だったことと、今よりも霊力が高く暴走はしても気を失うほどの霊力の消費がなくなったためだ。

「どうしたの〜〜〜?」

「いや、今日は俺が除霊することにする。お前は俺の後についてくればいい。わかったな?」

鏡耶は冥子の質問に答えながらさっさと建物の中に入っていく。そして慌てて冥子は鏡耶の後をついていった。

「え〜〜〜ん!待って〜〜〜〜君影さ〜〜〜ん!」



そして二時間後、特に何事も無く建物から出てきて無事に仕事が終了したことをデパートの担当者に伝える。事後処理はここまで車を運転してくれた運転手にまかせ鏡耶は冥那に電話をした。

「・・・君影だが・・・ああ、たった今終わった。・・・・・・ん?大丈夫だ。それで始める前に電話で話した件だが・・・・・・そうか、ありがとう・・・・・・・・・ああ、それではな」

「お母様と何をお話してたの〜〜〜〜?」

冥子は自分のことを置いてけぼりされた感じがしてちょっと悲しくなったのか真剣に聞いてくる。

「ん?あぁ、これからお前にちょっと来てもらってやって欲しいことが出来てな。その許可を冥那に貰っただけだ」

「そうなの〜〜〜?じゃあ、これからおでかけ〜〜〜?」

「移動自体は俺がするから一瞬だ。まぁ場所は行ってからのお楽しみってやつだな」

そして後のことは運転手に全て任せ、鏡耶は冥子の側により誰にも見えないように「転/移」の文珠を発動させた。



鏡耶達が現れた場所は木と岩が延々と続く深い森の中だった。すぐ側に富士山が見えることから樹海だとわかる。
しかし、時刻がまだ昼だからかあまり嫌な感じはせず、どちらかというと神聖な感じすらする。
これは鏡耶がこの仕事の依頼を受けた日にわざわざこの場所に足を運び、辺り一体を浄化しておいたからだ。

「おい、着いたぞ」

鏡耶は突然の出来事に驚いている冥子の正気を取り戻させ、これから行うことの説明をした。

「やることは簡単だ。お前が今までしてきたことがどういうことかしっかり認識してもらう」

「どういうこと〜〜〜?」

「お前は仕事が始まるとほぼ必ず気絶して、気が付いたら辺りは瓦礫の山らしいな」

「えっと〜〜〜・・・気が付いたら〜〜瓦礫の山なのは確かだけど〜〜〜気絶なんてしてないわよ〜〜〜〜?」

鏡耶はため息を着きながら続けることにした。

「そのことについては今回置いておく。やって貰いたいのは式神の暴走だ」

「え〜〜〜そんなの無理よ〜〜〜それに皆が可哀相だわ〜〜〜〜」

「恐らく記憶が無いのは、お前が除霊中に傷を負ったりして傷着いたときに感じるストレスだろうな。記憶が無くなる前に傷を負って泣いたりしてるだろ?」

「ん〜〜〜・・・確かに言われてみるとそうかも〜〜〜〜」

「そこで、お前にはこれを着けてもらう」

鏡耶が取り出したのは特に特徴の無い幅1センチ程の銀色をした腕輪だった。

「きゃ〜〜〜きれいね〜〜〜〜・・・これを冥子にくれるの〜〜〜〜?」

「ああ、話の続きはその腕輪を着けてからだ」

さっさと腕輪を左腕に嵌め嬉しそうに何度も見ている冥子に鏡耶は続きを言った。

「先を続けたいのだがいいか?・・・それにはある効力がある」

「効力〜〜〜?」

「そうだ。その効力というのは「気を失わない」というものだ」

「どういうことなの〜〜〜〜?」

「つまり、除霊中に何があっても気絶せずにいることが可能になるってことだ」

「じゃあ私も〜〜〜ずっとお仕事を手伝えるのね〜〜〜〜」

「・・・・・・そうだといいがな。では始めることにしよう」

そういうと鏡耶は突然冥子の頬を叩いた。





冥子は何が起こったのか一瞬分からなかったが、頬にじんじんとした熱さを感じると眼に涙が溜まってくるのがわかった。

「・・・・・・ふ・・・ふぇ・・・・・・ふぇ〜〜〜〜〜っ」

一斉に冥子の影の中から出てくる十二神将。そしてその十二神将は辺りを手当たり次第に壊していく。
樹齢100年は優に超えている大木をなぎ倒し、乗用車ほどもある岩を砕き、地面を切り刻んでいく。
そして数十分後には自分の立っている場所を除けば、およそ半径百メートルに渡り更地同然になっていた。
その間冥子は泣き止んではいたが、自分の言うことを聞いてくれない十二神将に向かって懸命に呼びかけ影に戻るように叫んでいる。
しかし何を言っても聞いてはもらえず更に泣きそうになり、辺りが更地になっていく光景をただ顔を真っ青にしながら呆然と見ていた。

冥子の霊力が切れそうになったためかその後しばらくして十二神将達は冥子の影に戻っていった。
そして最後の式神が影に戻ったら、いつの間に消えていたのか鏡耶が現れ冥子に言った。

「ちゃんと見ていたみたいだな。・・・・・・で、どうだ?自分がやったことを直に見て」

「・・・・・・・・・ち、違っ・・・これは私がやったんじゃないわ〜〜・・・」

「ほう・・・じゃあ、何か?十二神将がやったとでもいうのか?確かに実際にやったのは十二神将だが、その十二神将を暴走させたのはだれだ?まさか、叩いた俺とか言うなよ?」

「そ・・・それは〜〜・・・・・・」

「この惨状は六道冥子、お前がやったんだ。自分の持つ力がどのくらい強大なのか理解せずに霊力を暴走させ、その結果自分の霊力がなくなる寸前まで十二神将に奪われ暴れさせた結果がこれだ」

「でも〜〜・・・・・・ここには誰も・・・」

「誰もいなかったから?たいした被害も無かったから?・・・それが何だっていうんだ?お前は仕事現場で何回気を失ったことがある?その全てでお前は十二神将を暴走させ辺りを更地にしてきたんだろ?」

「ふ・・・ふぇ〜〜〜ん」

もうほとんど霊力が無くなったためか冥子が泣いても十二神将が再び暴れることはなく、ただ冥子の泣き声が更地になった森に木霊した。

「・・・泣くな。今までも、そして今回もただ運が良かったに過ぎない。もし暴走したのが街中だったら?そのときそこに自分の大切な人がいたら?お前が自分の力を意識せずにそれを御する術を持たなかったために、その人達が死んでしまう可能性があることをお前は考えたことがあるか?」

「ふぇ・・・・・・な、いです・・・」

「なら考えろ。自分の未熟さが何をもたらすのか。最悪の結果を予想しろ。そして認識しろ。自分に何が足りないのか」

「・・・ぐす・・・くすん・・・・・・」



時間にして二時間も経った頃だろうか、冥子は鏡耶を見た。
その眼は今までびくびくして弱々しかったものから、まだ多少残ってはいるもののその中に一本の強い光が灯っているのを鏡耶は感じた。

「あ・・・あのね、君影さん〜〜〜・・・」

「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・なんだ」

そのどこか冷たく感じる視線に怯みそうになるが、冥子は意を決して鏡耶に告げた。

「わ、私〜〜・・・強くなりたいわ〜〜〜・・・・・・。みんな私の大切な友達だし〜〜・・・そんなみんなを私のせいで人殺しにはしたくないわ〜〜〜〜」

冥子は今現在友達といえる相手はいない。冥子の周りにいるのは自分の持つ利権を狙っている権力者や、自分を疎んだ目で見る六道家の者や事務所の者。それ以外では母親の冥那と今目の前にいる鏡耶だけだった。
だから冥子は想像した。もし自分にも大切な人ができたら、その人が自分が未熟なせいで死んでしまったら・・・
おそらく泣くだろう。泣き伏せて涙が枯れても泣き続けるだろうと思った。
そして冥子は決めた。今はまだ鏡耶が言った通り自分はまだ未熟だ。でも建物が壊れてしまったことなどはホントだし、人が死んでいないこともホントだ。
だから今ならまだ間に合う。今から頑張ればその最悪な予想は予想のまま現実にはならないはずだ。

だから・・・・・・

「だから〜〜・・・私を強くして欲しいの〜〜〜。お願い〜〜〜〜」

鏡耶は実は結構驚いていた。自分の知っている冥子は反省すれども行動せずみたいなところがあったわがままな女性だったからだ。昔はそれが彼女だし、そんなところが可愛いなとも思っていたくらいだ。
それが多少強引だったとはいえこうも簡単に強くなろうとするとは意外と言うほかなかった。これが駄目だったら文珠で実際にそうなるところを見せようとも思っていた。

そのまましばらく何かを考えている様子だったが、鏡耶は自分を見上げる冥子に思ったことを言った。

「俺は元々人に何かを教えるのは得意じゃない。・・・だから教えることは出来ないが、助言くらいはしよう。後は自分で習得しろ」

「え〜〜〜・・・ダメなの〜〜〜?・・・どうしても〜〜〜〜?」

「ああ、それにお前には式神使いとして最高の先生がいるだろう?」

しばらく考えていた冥子ははっと気付いたように声を上げた。

「あ〜〜〜!お母様のことね〜〜〜〜!!」

「そうだ。冥那なら俺なんかよりちゃんと教えてくれるだろうしな」

「わかったわ〜〜〜、お母様に相談してみる〜〜〜」

そしてしきりに頷いている冥子の頭を撫でながら鏡耶は六道家の屋敷に戻るために文珠を精製した。

「じゃあ、そろそろ屋敷に戻るぞ。もう日が暮れる」





六道家の屋敷の前に現れた鏡耶は、突然目の前に自分の家が現れたことに驚きを隠せない冥子に言った。

「俺はもう帰るが冥那によろしく伝えておいてくれ。次は四日後に来るってな」

「わかったわ〜〜〜。お母様にはきちんと伝えておくわね〜〜〜」

「たのむ。お前もそれまでしっかりと今日の気持ちを忘れずにいろよ」

「大丈夫よ〜〜〜。ちゃんと忘れないわ〜〜〜」

少々不安になりながらも鏡耶は帰ることにし、背を向けたところで冥子に呼び止められた。

「そういえば〜〜〜、どうしてお母様は名前で呼んでいるのに、私は「お前」って呼ぶの〜〜〜?私もちゃんと名前で呼んで欲しいわ〜〜〜」

「・・・・・・お前が式神使いとして最低限の能力者になったら考えてやる。それまでは「お前」で十分だ」

そして強風が吹き瞬間に眼を瞑ってしまった冥子が再び眼を開けると既に鏡耶の姿はなかった。








夜、冥子は冥那に今日あった出来事を伝えた。

「そうなの〜。君影君には感謝しないとね〜。・・・そういえば冥子は彼の除霊を見たのよね〜?」

「そうなのよ〜。かっこよかったわ〜〜」

「どういう除霊をしたか私に説明してくれない〜?」


冥那は少しでも時人の霊能力を知ろうと冥子に聞いた。

「えっとね〜〜〜、良く分からなかったんだけど〜〜〜左手を振る度に雑霊がどんどんいなくなっちゃったわ〜〜〜〜」

「左手を振る度に〜〜?」

「それでね〜〜〜、一番上の階にいた強そうな子は〜〜〜霊気で出来た盾みたいのを当てたら消えちゃったの〜〜〜〜」

「あそこの悪霊はぎりぎりだけどランクCだったのよ〜〜?それをたった一つの霊気の盾で退治しちゃうなんて凄すぎるわ〜〜!」

冥那は娘の話ではほとんど何も分からなかったのだが、とてつもなく能力の高い能力者であることだけは分かった。
霊気の盾は使うこと自体はほとんどのGSが出来るとは思うが、それをたった一つだけでランクCの悪霊を倒すことが出来るGSは恐らくいないだろうと思った。
霊気の盾意外では霊波刀もそうなのだが、基本的に霊力を一点に纏めたりそれを維持するのは難しいとされている。その一番の原因は形にするまでの霊力が無いことと、形を纏めるための想像力が乏しいことである。
しかし、その分出来たときの威力など能力はとても高い。このことから恐らく簡単にそれを作り使用した鏡耶の強さが垣間見ることが出来た。

「それでね〜・・・お母様にお願いがあるの〜〜〜」

冥那は冥子が自分にお願いをするので思考を一旦現実に戻し冥子の話を聞くことにした。

「冥子が私にお願いなんて珍しいわね〜。何かしら〜?」

そして冥那は続いた冥子の言葉に今日で一番驚くことになった。







「えっとね〜〜〜、私に式神の扱い方を教えて欲しいの〜〜〜」







つづく
第011話へ   第013話へ







あとがきのようなもの

ちょっとは六道親子の口調が良くなったかな?・・・Mirrorです。
呼んでくれた人ありがとうございます。
こういうのって難しいですね。(なんかいつも難しいって言ってる気がする・・・)
次は冥子の特訓の日々です。なんか鏡耶が扱いにくくなってる・・・まぁこれから期待しましょう。

では前回のあとがきでもいいましたが、第010話でのたくさんの作品の答えを発表します。
ちなみにこれらの作品は「観測者」がたまたま見た世界であってこれからの展開には何にも関係ありません。気にしたらダメです!
あと、自分の予想と違くても怒らないで下さいね。なかにはそっちかよ!ってそのキーワードじゃわかりずらかったのもあるみたいですし・・・

答えは
エヴァ、Wolf's Rain、サザンアイズ、らんま、スレイヤーズ、YO-NO、EVE burst error、月姫、Phomtom、灼眼のシャナ
ナデシコ、ラブひな、D.C.、ブリーチ、疾風のごとく!、ワンピース、ヘルシング、ベルセルク、職業殺し屋、Fate、世界征服物語、天上天下
です。
スペル間違えはごめんなさい。個人的には結構メジャーな作品ばっかりだと思うのですがどうでしょうか?

もうちょっとしたら番外編を書こうかな?って思ってます。っていうか書かないといけない話なので書くのですが・・・
どんな話かは秘密ということで・・・上手く書けるよう応援してください。
ではまた次のあとがきのようなもので会いましょう。





GS美神に戻る